痛い!透析患者のライフライン

☐ライフライン

透析に穿刺(せんし:針を刺すこと)は、不可欠です。

穿刺しなければ、透析は始まりません。透析、正確には血液透析は、その名の通り血液を介して透析を行う、つまり血液を体外に導き出し、人工腎臓を通過させない限りその効果はありませんね。

穿刺するために、シャントがあります。シャントが造成され、穿刺後しっかり血流が確保されることが透析効率にも関係し、非常に重要です。これまで、シャントに悩む多くの患者さんを見てきました。正に透析患者にとっての‘Life line’です。

透析のたびに、この穿刺痕が刻まれていきます。1回に2カ所、動脈側と静脈側に。穿刺に使用される針は、通常の注射針とは比較にならない太さ、いつも私は「これは、注射針じゃない!ミシン針だ!」と思ってしまいます。初めて目にした時は、「これを刺す?!」と疑ってしまうほどでした。
(今では慣れっこなってしまって、たまに予防接種の時などには、通常の注射針に違和感を感じたりします?!)

img_0

私の場合、導入時は外シャントから始まったので、この出会いと経験は導入約2か月後でした。

☐シャント、「外」から「内」へ

外シャントの場合は、直接血管と繋いだチューブが手首の所で体外に出ているので、透析の時には、このチューブと回路を直接結合させので、穿刺の痛みは避けることができます。

ただ透析時以外は、このチューブをたたんで包帯で被っておかなければなりません。入浴時には、その部分を湯に浸けることはできないので、腕を上げたままの姿勢でなければならない等々、生活上の不便さは多々ありました。

この外シャントを経験された患者さんも少なく、スタッフでもほとんど目にしたことはないと聞きます。
その時の写真を撮っておけば良かった!と、今になって思ったりしますが、当然、導入直後の私には、そんな心の余裕はありませんでした。

(それ以上に、この手首からチューブが出ている形状を初めて目にした時の衝撃は、今でも忘れません。)
この外シャントのイラストも、何とか探し当てました。

30-1-4

その後、内シャントが開発され、患者の日常生活のうえでは、大きく改善されました。

4-2

☐「痛い!」から始まること

痛い!

MPSA0403C

先日も、ある透析施設の患者さんの集まりでお話させていただく機会がありましたが、この話題になった時、皆さん一様に大きく、大きく頷いておられました。
痛い!という側面だけでなく、血管やシャントの問題があって、とても悩んでおられる患者さんもおられます。何度もシャント手術を繰り返し、両腕だけでは困難で両足にもシャントを造ることを経験したり、また特定のスタッフしか穿刺が出来ないという患者さんもおられます。

前述した通り透析の始まりであり、血液の「出口」の問題ですから、非常に重要です。
いつもとは言いませんが・・・時には本当に、痛い!です。
体験から言うと、穿刺するスタッフの「腕」・・・関係します。
(その日穿刺する箇所)×(スタッフの「腕」)×(表現しえないその時のタイミング)

=(その時の痛み)
私の経験から導き出された「透析の穿刺に関する方程式」です?!

とは言え、私自身は、その痛みこそ透析していることの「証」と覚悟しているので、スタッフに対しては腹も立ちません。ただ、失敗しないだけの「腕」は磨いてほしいと思います。いつだったか忘れましたが、1回の透析で5本の針を刺され、シャントのある左腕は止血テープのオンパレードでした。透析2.5回分ですね?!
最近は、穿刺痛を和らげるための貼付薬もあり、多くの患者さんは使用されていますね。
(「私は使わない!」って言うと、周りの患者さんには、なぜか笑われていますが?!)

☐「痛み」に込められたもの

1回の透析に2本(「おまけ」=穿刺失敗分なしで)の穿刺、5,000回の透析で1万本、あの「ミシン針」を刺されてきたことを思うと、その刺激に耐え、次回透析までに回復する血管、皮膚等々、あらためて生体本来のもっている回復力に驚きます。

透析開始のこの瞬間、「痛い!」(何度も書いて、ごめんなさい。)という時間だけでなく、「準備-穿刺-機器設定」と一連の対応を通して、「患者-スタッフ」間の情報交換の機会だと思います。
この透析間の状態はどうだったのか?
何か不安に感じていることは?
希望する治療や薬剤は?
等々、この時間を通して相互のコミュニケーションを、そして信頼関係を深められる機会でもあります。

canstock5164735

実は、前回の透析時、静脈側の穿刺がうまくいかず、久しぶりに「おまけ」をもらいました。
その「おまけをくれた」スタッフは、次回透析時に

「大丈夫でしたか?腫れませんでした?青くなりませんでしたか?」
「あっ、気に留めてくれていたんだ。」 と素直に嬉しくなります。
そして、安心と信頼が深まります。

ilm11_aa04006-s

スタッフには「針を刺せば、後は機械がやってくれる。」

では、決して終わってほしくない。
そして、患者はこの機会を通して、自身も治療への参画意識を持つことが大切だと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です