腎臓病から透析へ③

☐当時の透析治療

同室の透析患者さんは、朝食を摂って透析室に向かわれ、病室に帰ってこられるのは、夕方でした。
透析時間にして7~8時間、夕方、病室に帰ってこられた時は、本当に辛そうでした。
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息も絶え絶えという感じで、「今日は、〇〇しか除水できなかった!」とか、透析室でのスタッフの対応・対処について、厳しく指摘されていました。
「なんで、あんな設定をするんや!」
「患者の状態が全然分かっていない!」
「どうなるか分かってない!」
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当時でも患者は、その実体験から、自分にどんな変化が起きているか?どんな処置が相応しいか?経験的に身に付いていたのだと思います。
しかし、残念ながら透析中の不均衡症候群は避けられない透析レベルだったのです。
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「〇〇しか除水」の「〇〇」は、500mℓとか多くて1ℓで、当時の透析効率の悪さが想像できます。
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現在、長時間透析の有効性、必要性が改めて指摘され、6時間以上やオーバーナイト透析、また、透析量を上げるため完全隔日や連日透析、そして回数も時間も充分確保できる在宅透析を実施する施設も少数ではあるが出てきています。
また、そうした透析を希望・選択する患者も少しづつ増えている状況です。
(現在の日本の透析状況については、あらためて書きたいと思います。)

☐不安定な治療、厳しい水分制限

同室の患者さんに見られるよう、当時のそれは、除水量に限らず透析レベルを反映するものでした。
透析中の辛さもさることながら、病室でも患者さんはほとんどベッドに横になっておられました。夜は全身の痒みで寝られず、夜中に起き上がって孫の手で掻いておられた姿をよく目にしました。現在も、掻痒症(そうようしょう)は透析患者にとって、根強くある合併症の一つですが。
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先に書いた通りの除水効率で、透析間の水分制限も極めて厳しいものでした。同室の患者さんは、ベッドサイドにかけた上着の内ポケットに清涼飲料水(オロナミンC)を隠し持っておられました。それを、看護師等の目を盗んで飲まれるのです。いや、飲んだ気分になられる。何故なら、それでうがいすることに止めておられました。
(時に、「おすそわけ」をいただきました。)
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「透析って、厳しい治療だ!」という印象が、強く刻まれました。

☐その後の入院生活

こうした実体験の「腎臓病と透析の勉強」をしながら、私の療養生活は続きました。
主治医に無理を言った「試験外泊」の後は、強い安静から適度な運動を挟みながらの入院生活でした。適度な運動と言えば散歩でしたが、先に紹介したように姫路城の濠に建つという立地条件から、絶好の散歩コースが用意されていました。
まず、病院を出てお城の天守閣近くまで行ってみる、慣れると次は公園となっているお城の周囲を1周してみる、そして、蛋白尿の程度を観察していきました。
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動く程度によって、尿蛋白が〔+-〕であったり、時には〔2+〕であったりの変動を繰り返しながら。
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☐慢性腎炎、退院へ

春、桜の下を、夏、暑さを避けながら、腎臓病食と安静から散歩の生活が続き、秋になってやっと主治医から退院の許しが出ました。
その時の主治医の言葉でした。
「もう慢性の腎炎になっています。」
「退院しても、これからの生活は無理の無いように、上手く(腎臓病と)付き合っていくことにしましょう。まだ、若いから腎機能が保たれるようにコントロールしていきましょう。」
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やっと退院できるという嬉しさと、この言葉が頭に残り複雑な心境でした。と言うものの、やっぱり嬉しかった。

☐最初の透析の師

退院が決まって、ある日の夜、「お祝いや!」と言って同室の透析患者さんに焼肉に連れていっていただいた。
(外出許可はもらいましたが、何処にいくか?勿論、内緒です。)
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先輩患者さんは、2・3口運ばれるだけで、ほとんど食べられません。私に勧めていただきながら、ご自身の療養生活を通していろいろなことを教えていただきました。腎臓病のこと、透析のこと、注意すること・・・。
そして、「わしの(私の)様には、ならんようにな!!(ならないように)」と。
入院生活を通して、私にとって父親のような存在の方でした。
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この時、その「父親」から、患者自身が学ぶこと、医療者に伝えることの大切さを教えられました。

しかし、その時の私はまだ、この言葉を重く受け止められていませんでした。
そして、約10カ月間の私の初めての入院生活は終わりました。
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